AES-128 に対しては 2⁶⁴ 回程度の逐次的な量子反復が必要ですが、各反復はエラー訂正を施した深い AES 回路であり、しかも高速化はうまく並列化できません(探索を k 台のマシンに分けても √k 倍しか速くなりません)。そのため NIST は AES-128 をカテゴリ 1 として扱い、共通鍵の鍵長を 2 倍にすることを求めていません。NIST IR 8547 も AES-128、SHA-256、SHA-3 を引き続き使用可能としています。
衝突探索では、メモリのコストを考慮すると、量子アルゴリズムは古典アルゴリズムに比べて実用上ほとんど優位性がありません。ポスト量子のカテゴリが AES と SHA-2/SHA-3 の強度を基準にしているのも、非常に長期間保護すべき秘密情報には AES-256 が保守的な選択とされるのも、グローバーのアルゴリズムがあるためです。